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【初めての方でもわかる!】動物の予防接種について

2023.02.17

インタビュー

こんにちは!動物看護師のパグ好きの松村です!

皆さんの飼っているわんちゃん、ねこちゃんは病院は好きでしょうか??

病院が苦手な子、大好きな子、どちらでもない子(笑) 色々なタイプの子がたくさん病院には来てくれます。

私の飼っているパグは病院が大好きです!

いつもしっぽをブンブン振り回して楽しそうにしています!

ですが、やはり注射は苦手なようで、予防接種をうった後は少しショックを受けておとなしくなってしまいます(笑)

凄く鳴いて嫌がっている我が子を見ていたら毎年予防接種をうつのは可哀想と思ってしまうことがありますよね、、、

ですが、予防接種はわんちゃんねこちゃんを特定の致命傷になりうる病気から守るためにとても大切です。

動物同士の感染や、動物から人に感染する『人獣共通感染症』を防止する役割もあります。

 

予防接種の種類

わんちゃんの予防接種は、大きく分けて2種類あります。

国から接種を義務付けられている『狂犬病予防接種』と、飼い主様が任意で行うその他の『感染病予防接種(混合ワクチン)』です。

狂犬病予防接種とは、不活化ワクチンというウイルスを死滅させて感染能力を無くし、免疫をつけるために必要な成分を取り出しつくられています。

そのため副反応は起こりにくいと言われていますが、ワクチン抗体が短期間で減っていくため、年に1回の接種が重要になります。

わんちゃんの混合ワクチンは、当院では5種、7種、10種ワクチンがあります。

 

5種混合ワクチン

  • ・ジステンパーウイルス感染症
  • ・アデノウイルスⅠ型感染症(犬伝染性肝炎)
  • ・アデノウイルスⅡ型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)
  • ・パルボウイルス感染症
  • ・パラインフルエンザ感染症

 

7種混合ワクチン

  • ・ジステンパーウイルス感染症
  • ・アデノウイルスⅠ型感染症(犬伝染性肝炎)
  • ・アデノウイルスⅡ型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)
  • ・パルボウイルス感染症
  • ・パラインフルエンザ感染症
  • ・レプトスピラ感染症(イクテロヘモロジー型)
  • ・レプトスピラ感染症(カニコーラ型)

 

10種混合ワクチン

  • ・ジステンパーウイルス感染症
  • ・アデノウイルスⅠ型感染症(犬伝染性肝炎)
  • ・アデノウイルスⅡ型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)
  • ・パルボウイルス感染症
  • ・パラインフルエンザ感染症
  • ・レプトスピラ感染症(イクテロヘモロジー型)
  • ・レプトスピラ感染症(カニコーラ型)
  • ・レプトスピラ感染症(グリッポチフォーサ型)
  • ・レプトスピラ感染症(ポモナ型)
  • ・コロナウイルス感染症

 

5種混合ワクチンはお外にあまりでないで、お家で生活しているわんちゃんへの接種をおすすめしています。

7種混合ワクチンはお散歩はもちろん、他のわんちゃんとの触れ合いがあるわんちゃん、ドッグランやドッグカフェなどによく行くわんちゃんへの接種をおすすめしています。

10種混合ワクチンは山や川、キャンプなどによく行くわんちゃんへの接種をおすすめしています。

ねこちゃんの予防接種は、日本では『感染病予防接種(混合ワクチン)』のみです。

ねこちゃんの混合ワクチンとは、当院では3種混合ワクチンと5種混合ワクチンの2種類あります。

3種混合ワクチン

  • ・猫ウイルス性鼻気管炎
  • ・猫カリシウィルス感染症
  • ・猫汎血球減少症

 

5種混合ワクチン

  • ・猫ウイルス性鼻気管炎
  • ・猫カリシウィルス感染症
  • ・猫汎血球減少症
  • ・猫白血病ウイルス感染症
  • ・クラミジア病

 

3種ワクチンは極めて強い急性の感染症を予防します。お家で飼っているねこちゃんを含め全てのねこちゃんに接種をおすすめしています。

すでに鼻気管炎等の症状が出てしまっているねこちゃんの症状の悪化を抑制する効果などもあります。

5種ワクチンはお外によく出るねこちゃんにおすすめしています。

わんちゃん、ねこちゃんの混合ワクチンの接種で自分の子は何種ワクチンをうてばいいか分からないなともございましたら、診察の際に獣医師に相談していただければと思います!

混合ワクチンは仔犬仔猫の時に3回接種し、成犬成猫になってからは年1回の接種がおすすめしています。

ワクチンをうつことにより予防できる感染病の中には、飼い主様の靴や洋服に付着して病原体がお部屋の中に持ち込まれ空気感染するものもあります。

そのため、お家だけで生活しているわんちゃんねこちゃんも定期的なワクチン接種をおすすめしています。

人間の予防接種と同様に、ワクチン接種後は体調が悪くなってしまう子がいます。

稀にアナフィラキシーショックという重篤なアレルギー反応を起こす事もあります。

アナフィラキシーショックとは、体が激しく反応し全身的に過剰なアレルギー反応が起こった状態です。

反応としては顔が腫れる、じんましん、発熱、元気消失、注射部位の疼痛などがあります。

1番アレルギー症状が出やすいと言われている『接種後15分程』は院内で体調の変化などを見てあげるようにお願い致します!

これらの反応は、遅い子だと接種後 数時間から半日後に症状が出る事もあります。

夕方接種すると深夜に症状が出てしまう可能性があるため、ワクチンはなるべく午前中に接種することをおすすめしています。


動物病院 京都について

動物病院 京都は京都市北区にある動物病院です。

一般的な町の動物病院としての役割のほかに、ねこ専門の病院があったり、骨折や脱臼などの整形外科手術の実績が豊富なことや、皮膚科の専門医診療など、より高度な獣医療も提供しています。

京都市西京区にも分院の動物病院京都 西京桂院があり、京都市内を中心に、飼い主様に寄り添った獣医療を提供しています。

些細なことでもお気軽にご相談ください。

公式SNSのご紹介

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【飼い主様に知ってほしい】マイクロチップの登録方法や費用について

2023.01.06

インタビュー

皆さんは「マイクロチップ」という単語を耳にされたことはありますか?

2022年6月より犬・猫を販売するペットショップやブリーダーを対象にマイクロチップの装着が義務付けられることになったため、近年で急速にマイクロチップの認知度が上がったのではないでしょうか?

そんなマイクロチップのあれこれについてご紹介したいと思います!

 

そもそもマイクロチップってなに?

直径1.5mm~2mm、長さ約8~13mmの小さな円筒形の電子標識器具です。

実際のマイクロチップ

1つ1つに15桁の番号が記録されていて、その固有の番号を専用のリーダー(読取器)で読み取ることで個体識別ができます。

 

情報の登録と変更

残念ながらマイクロチップを装着したらOK!というわけではありません。

マイクロチップを有効に活用するためにも、登録は必ず行いましょう。

マイクロチップが装着されている犬や猫を飼い始めた場合や既に飼っている犬や猫にマイクロチップを装着した場合は、30日以内に飼い主情報を登録する必要があります。

所有者の情報がペットショップやブリーダーさんになっている場合は「変更登録」が必要なので注意してください!

また、住所変更なども、必ず変更の手続きが必要です。

 

どうやって装着するの?

医療行為のため、動物病院にて獣医師が専用のインジェクター(注射器)を使って首後ろあたりの皮膚の下に埋め込みます。

診察時に無麻酔で打つこともできますが、多少痛みが生じるので、避妊や去勢といった手術で麻酔をかける時に一緒に入れることも可能です!

当院でもマイクロチップの処置を行なっておりますので、ご希望の方はスタッフまでお声がけください。

 

先日マイクロチップを装着した いっち君&にーちゃ君

2人とも無麻酔で装着しましたが、とってもお利口さんでした!

 

メリットは?

マイクロチップは皮下に埋め込まれているため、首輪や名札のように紛失する可能性が低い上、万一迷子になった場合でも専用の読み取り器でマイクロチップを読み込めば名前を言うことのできないわんちゃん・ねこちゃんの代わりに身元を証明してくれます。

「うちの子はお外に出ないから大丈夫」・「脱走したりするような性格じゃないから大丈夫」はとっても危険です!

普段はそうでも突然の災害に、人はもちろん動物もパニックになってしまいます。

保護してもらった時に、皮下に埋め込まれたマイクロチップをリーダーで読み取ることで固有の番号が分かり、結果データベースに登録されている飼い主の情報と照合することでご家族の元に帰れる可能性が高くなります。

先日、「道で彷徨っていた猫さんを保護したので診てほしい」と当院に来院してくださった方がいらっしゃいました。

その猫さんがとても人馴れしていたのでもしかして?と思い、マイクロチップリーダーで確認してみたところ、15桁の固有番号がしっかり出てくれました!

おそらく迷子になってお家に帰れなくなってしまったんだと思います。

マイクロチップを装着していたおかげでご家族のもとへ戻れる可能性にぐんと近づいたことに保護主さんもスタッフもほっとしました。

 

まとめ

繰り返しになりますが、マイクロチップは大切な家族の突然の迷子や事故、盗難などにあった時に身元を証明してくれるとても大切なアイテムです。

このブログを通して少しでもマイクロチップの重要性を知っていただけたら幸いです。


動物病院 京都について

動物病院 京都は京都市北区にある動物病院です。

一般的な町の動物病院としての役割のほかに、ねこ専門の病院があったり、骨折や脱臼などの整形外科手術の実績が豊富なことや、皮膚科の専門医診療など、より高度な獣医療も提供しています。

京都市西京区にも分院の動物病院京都 西京桂院があり、京都市内を中心に、飼い主様に寄り添った獣医療を提供しています。

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【要注意】猫に与えてはいけない食べ物とは!?

2022.12.23

インタビュー

「ねこちゃんが食べてはいけないもの」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?

まず基本的に、動物は加工物を食べてはいけません。

また、生物であっても注意する必要があるものもいくつかあります。

今回はそれらについて一部ですが、ご説明いたします!

 

猫が食べてはいけないものとは

【猫が食べてはいけないものの代表】

  • ・ネギ類(ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニクなど)
  • ・チョコレート
  • ・アボカド
  • ・キシリトール
  • ・貝類
  • ・ブドウ
  • ・キシリトール

 

ネギ類(ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク等)

ネギ類に含まれる「アリルブロビルジスルファイド」という成分が、血液中の赤血球を壊し、下記のような症状を引き起こします。

  • ・貧血
  • ・血尿
  • ・嘔吐下痢
  • ・黄疸

 

加熱してもこの成分は無くならないため、ネギ類を使ったハンバーグやシチューなどの料理にも気をつけましょう。

 

チョコレート

チョコレートに含まれる「テオブロミン」や「カフェイン」が中毒症状を引き起こします。

テオブロミンは中枢神経を刺激し、下記のような症状を引き起こします。

  • ・下痢
  • ・嘔吐
  • ・痙攣
  • ・運動失調

 

また、カフェインは下記のような症状を引き起こします。

  • ・動悸
  • ・興奮
  • ・不整脈
  • ・痙攣
  • ・ふらつき

 

これらの成分はカカオに含まれているため、カカオを原料とするココアも注意が必要です。

 

アボカド

アボカドに含まれる「ペルシン」という殺菌作用のある毒素を含む成分により、下記のような症状を引き起こします。

  • ・嘔吐、下痢
  • ・呼吸困難
  • ・痙攣

 

キシリトール

キシリトールを食べると低血糖になり、下記のような症状を引き起こします。

  • ・嘔吐
  • ・意識の低下
  • ・痙攣
  • ・肝障害

 

重度の低血糖になると、最悪死に至ることもあります。

 

貝類

アワビ・サザエなどには「ピロフェオホルバイドα」という有毒成分が含まれており、摂取すると血液中に取り込まれます。

そして、食べた後に日光に当たると「光線過敏症」という皮膚炎になることがあります。

「ねこが貝を食べると耳が落ちる」という言葉を聞いたことがないでしょうか?

ピロフェオホルバイドαは、食べたとしても直接的な害はありませんが、日光にあたることで紫外線と反応して活性化し、さまざまな炎症となって現れます。

全身を毛で覆われている猫は直接日光が届きにくいですが、耳などは毛が薄いので特に症状が出やすく、痒みや腫れなどの炎症となって現れます。

酷くなると、壊死することもあるので「耳が落ちる」という表現が広まったようです。

加熱しても毒性はなくならないので、アワビなどの貝類は食べさせないように気をつけて下さい!

 

生のイカ、タコ、エビ、カニ

イカなどに含まれる「チアミナーゼ」というビタミンB1を分解する酵素によって、ビタミンB1欠乏症になることがあります。

ビタミンB1欠乏症になると、下記のような症状を引き起こします。

  • ・嘔吐、下痢
  • ・食欲不振
  • ・痙攣
  • ・歩行障害や視覚障害などの神経障害

 

重度の場合、昏睡状態に陥り死に至ることもあります。

一部の淡水魚・海水魚にもチアミナーゼが含まれており、加熱すると機能を失うため、魚介類をあげる時は、火を通して少量づつあげるようにしましょう。

また、イカやタコなどは消化が悪く、嘔吐や下痢を引き起こすことがあるため、あまりあげない方が望ましいです。

 

ブドウを含むもの(レーズン等)

ねこちゃんがブドウを食べると、腎機能障害を引き起こし急性腎不全で死に至ることもあります。

ただ、ブドウのどの成分が中毒症状を引き起こしているのか解明されていないため、ブドウを元とするレーズンやぶどうジュースなども与えないようにしましょう。

特にレーズンは、ブドウの成分が濃縮されているため少量でも気をつけましょう。

 

初期の症状としては下記のようなものです。

  • ・嘔吐、下痢
  • ・食欲低下
  • ・元気が無くなる

 

重篤化すると、水をたくさん飲む・飲まなくなる、尿をしなくなるなどの症状が現れ、最悪死に至ることもあります。

 

アルコール

ねこちゃんは人とは違い、アルコールの成分を分解する酵素を持っていません。

そのためアルコールがそのまま体内に残り、たとえ少量であっても重篤な症状にまで陥り、最悪の場合死に至る可能性もあります。

  • ・下痢、嘔吐
  • ・酔う
  • ・意識障害
  • ・心肺機能の低下
  • ・昏睡状態

 

食べてはいけないものを食べてしまったら?

すぐに近くの動物病院に電話をして、病院からの指示を仰ぐようにしてください。

消化する前にすぐに吐かせることが得策ではありますが、自宅で無理に吐かせようとすると危険を伴いますので、行わないようにして下さい。

 

動物病院にお電話の際には、

  • ・動物の体重
  • ・何を食べたか
  • ・どれくらい食べたか
  • ・いつ食べたのか

 

上記をお伝えいただけるとスタッフとしては、処置までの時間が早くなりスムーズに対応することができ、助かります。

 

番外編

今回は食べ物を中心に紹介いたしましたが、食べ物以外にも、ねこちゃんで多いのがおもちゃなどの誤食です。

猫じゃらしの先の部分やネズミのおもちゃ・ビニールなど、遊んでいてそのまま飲み込んでしまうことがあります。

そのまま便から出てくることもありますが、腸に詰まる可能性もあります。

獣医師の判断によって、吐かせる処置や内視鏡・開腹手術を行うことがありますので、万が一飲み込んだ可能性がある場合は、早急に動物病院に連絡するようにしましょう。

誤食を防ぐために身の回りの整頓を心がけ、誤食を招く可能性のある物は、ねこちゃんの手の届かないところに置くようにして下さい。

洋服などの紐やほつれも誤食の原因になるので気をつけましょう。

また、ねこちゃんが遊ぶ時はできるだけ一緒に遊び、遊んでいないときにはおもちゃは閉まっておきましょう。

どれだけ気をつけていても、完全に誤食のリスクがなくなることはありません。もしかして今なにか食べちゃったかも、、、というときにはすぐに動物病院にご相談いただくようお願いします。


動物病院 京都について

動物病院 京都は京都市北区にある動物病院です。

一般的な町の動物病院としての役割のほかに、ねこ専門の病院があったり、骨折や脱臼などの整形外科手術の実績が豊富なことや、皮膚科の専門医診療など、より高度な獣医療も提供しています。

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【獣医師インタビュー】整形外科に関する病気について

2022.07.11

インタビュー

動物病院京都 本院の勤務医および京都動物医療センターの整形外科担当医として、幅広い知識をお持ちの木村獣医師に、飼い主様に知ってほしい整形外科のことをお伺いしました。

もし愛犬・愛猫が整形外科に関する病気を患ってしまったらどうすればいいのか、日常生活で気を付けておくことはあるかなど、飼い主様に知ってほしいポイントをわかりやすく解説します。

【飼い主様とコミュニケーションを取りながら、治療を良い方向に進めていく】

ーーわんちゃんと一緒に生活する上で、気を付けたらいいことはありますか?

木村先生:整形外科医の観点で言うと、生活スペースでは滑らないマットを敷いたり、足回りのケアをしてあげたりすることが大切だと思います。特に足のケアは、爪を定期的に短く切るとか、足の裏の毛をカットするなど、わんちゃんが転倒する可能性を少しでも無くしてあげることがいいと思います。ソファーなどの高い位置からの転落事故も非常に多いですが、高い所に上がらせない対策をすると、家の中を囲いだらけにするか、わんちゃんとの生活スペースを分けるかという方法になってしまうので、あまり現実的ではないかなと思います。ダイニングテーブルなどの高さは非常に危険ですが、ソファーやベッドくらいの高さだと、大きなケガにつながる可能性が少ないので、そこまで神経質にならなくてもいいかと思います。

ーー整形外科疾患における飼い主様が異変に気付くサインなどはありますか?

木村先生:明らかに症状が出ていなければ、様子を見てみることがほとんどです。早期に動物病院に行っても、病気を発見することができないことが多いので、足を引きずっていなかったら問題ないと思います。ワクチン接種や健康診断などで、定期的に動物病院に行っていれば、その時に担当医が病気に気付くことがあるので、動物病院に行くことが大切かと思います。あとは犬種によって好発する病気は異なるので、そういった知識を覚えておくことも予防になりますね。

ーー木村先生がよく行う検査方法や治療方法を教えてください。

木村先生:骨折はどの治療方法でもあまり変わりないので、治療プランは私が決めます。肩関節の脱臼や関節などの治療は術式が複数ありますが、グレードや症例によって使い分けています。「手術の回数を減らしたい」「再発のリスクを無くしたい」などの飼い主様の希望を聞いたりして、治療のメリット・デメリットをお話しして選んでもらったりもします。検査については、歩容(歩き方)の検査、触診、レントゲンは最低限行います。高齢の子であれば、血液検査もします。歩容は経験が必要かと思いますが、見るポイントが決まっているので、そこまで複雑ではありません。今であれば、スマホなどの動画を撮って、スローで見ると誰でも異常がわかると思います。

ーー治療を進めていく上で、大切にしていることはありますか。

木村先生:整形外科は手術がメインになると思いますが、手術が本当に必要かどうかを見極めることを大切にしています。整形外科で一番多い症例は、膝蓋骨の内方脱臼かと思いますが、手術をすることがその子にとって最良の治療なのかどうかを判断することが大切です。その判断は難しいですが、今までの経験で判断できることもあるので、やはり経験は大きいと思います。

ーー手術後のケアや回復のポイントなどについて教えてください。

木村先生:動物病院京都や京都医療センターでは、リハビリテーションの施設が無く、術後はご自宅でできるリハビリをしてもらう形になります。術後の通院は、3ヵ月くらいが目安になってくると思います。本来であれば、整形外科の術後は積極的にリハビリをしてもらう方が良いですが、リハビリをしていないからと言って、歩けなくなることはないです。歩けなくなるということは、根本的に手術や治療が間違えているということなので、歩けるようにはなります。リハビリは、回復する時間を早めるために行うものですので、目的を理解したリハビリが効果的です。動物病院京都でも、近い将来にリハビリ設備ができるかもしれませんね。

ーー整形外科で行う内科治療について教えてください。

木村先生:橈骨・尺骨などの骨折は基本的に手術を行いますが、他の部位の骨折は手術をしないことがあります。前十字靭帯の断裂も理想は手術での治療ですが、高齢犬や小型犬であれば、内科治療の選択もあります。その子の状態を見たり、家族の希望を聞いたりして進めていきます。内科治療は、主に痛み止めの処方や関節もサプリメント、適度に運動をさせるなどです。運動も悪化させない程度で大丈夫です。痛めている部分を全く動かさなかったり、暴れさせたりすると良くないですが、ゆっくりしたスピードで動かすことを継続してあげることで、痛みが引くこともあります。

ーー動物の体重を適正に管理することは大切ですか?

木村先生:整形外科分野においては、足の悪い子はやや痩せている方がいいかと思います。もちろん肥満はよくないですが、ガリガリに痩せている子も筋肉量が落ちて良くないので、やや痩せているもしくは、標準体型の下限ラインが理想かなと思います。

ーー整形外科の手術をする際のリスクは何でしょうか?

木村先生:整形外科の場合、命に危険が及ぶ可能性というのは基本的には低いです。命を守るための手術という観点で見ると、整形外科における手術のリスクは小さいと思います。しかし、手術の失敗によって、最悪その子が一生歩けないままになってしまう場合も想定されます。若い子であれば、10年以上は歩けないようにさせてしまうことになるので、そういったリスクは伴います。再発を心配される方もいらっしゃいますが、整形外科の再発率は低く、骨折や前十字靭帯の断裂は再発しませんし、肩と股関節の脱臼も症例としては多いですが、再脱臼の可能性も1割程度です。

ーー疾患を早期発見する上で、どういったことが大切だと思いますか?

木村先生:整形外科の疾患は、飼い主様が一番最初に気付くことが多いです。歩容にも個性があり、さまざまな歩き方があります。痛みや違和感が出てくると、動物たちの動作や行動に必ず変化が出てきます。そういった意味では、やはり日々生活を共にしている飼い主様の診断が一番だと思います。


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動物病院 京都は京都市北区にある動物病院です。

一般的な町の動物病院としての役割のほかに、ねこ専門の病院があったり、骨折や脱臼などの整形外科手術の実績が豊富なことや、皮膚科の専門医診療など、より高度な獣医療も提供しています。

京都市西京区にも分院の動物病院京都 西京桂院があり、京都市内を中心に、飼い主様に寄り添った獣医療を提供しています。

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