目の病気と思いきや 2018年3月

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2020年8月

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こんにちは。 動物病院京都 獣医師の坂口邦彦です。 暖かくなってきたな、と思えば寒の戻りで急にまた冷え込んだりと気温が落ち着きませんね。こういった季節の変わり目は体調を崩しやすい時期ですので、人も動物も注意してくださいね。

私、獣医師 坂口邦彦は、日本の獣医の眼科学会である、比較眼科学会に所属し、下痢嘔吐、予防接種など様々な一般診療はもちろん、眼科にも力を入れながら診察をしています。
眼科学会にも所属していながら、日々眼科の動物さんたちを診ているなかで、本日は目の問題を主訴に診察に来たけど実は、、、だった、という症例を紹介します。

目の問題というと、目が赤い・目が痛そう・目が白くなってきた、などの相談が比較的よくあります。
こういった問題に遭遇したことがある飼い主様も多いのではないでしょうか。
本症例は瞳孔が開きっぱなしで閉じない、という相談で来られた10歳の猫さんです。
お近くのところで、血液検査など色々調べたが、特に異常はみつからなかったとのことでした。

猫を飼っている方は、猫の瞳孔がまんまるに開いたり、細長く閉じるのをよく見かけると思います。
瞳孔というのは目に入る光量を絞るためのもので、環境が暗くなると開き気味になります。
おもちゃで遊んであげると、獲物を追うのに必死で興奮して開きっぱなしになったりもしますね。

 

 

常な瞳孔の動きでは、光を目に浴びせると、開いていたとしても反射で瞳孔が小さくなります(対光反射)。光を当てても瞳孔が小さくならない場合は基本的に何かしらの異常が起こっています。

光を制限しようとする動きがでてこないということなので、光をそもそも感じなくなっているか、瞳孔が動かなくなるような問題が起きているということになります。

 

 

 

 

 

 

 

今回の症例の子は、光を当てても瞳孔は閉じない(対光反射消失)のですが、目の前で手をちらつかせるとまばたきをしました(威嚇反射あり)。
つまり、瞳孔は動かないけど、見えているという状態です。

こういった場合に考えられることは、網膜は機能しているが、瞳孔を動かせない問題が起きているということになります。瞳孔周囲の筋肉が動かないか、瞳孔を動かす神経(動眼神経、脳)がおかしいかに絞られてきます。

身体検査だけでもある程度どこに問題がありそうかを絞ることができ、後日にMRI検査に行ってもらい脳に異常がないかを調べました。

すると、脳の下垂体から動眼神経の走行に一致するように腫瘍と思われる病変がみつかりました。
瞳孔が開きっぱなしという主訴で目の問題かと思いきや、実は脳に腫瘍ができていたという症例でした。

 瞳孔が開きっぱなし、目が緑に見える(瞳孔が開いたままだと眼底が見えて緑っぽく見えることがあります)といった症状は、網膜の萎縮、緑内障や高血圧からの二次的な網膜障害によっても起こります。光を感じなくなったせいで、瞳孔が反応しないという状態です。
ミニチュアダックスフンドで遺伝的におこる進行性網膜萎縮でもこのような症状がでますね。

 

目が普段と違うなと思うような変化があった場合、目だけでなく、他のどこかに異常があって、それを反映しているということが多々あります。
あれっ?なにかいつもと違うような、、、と言ったことに気が付かれた場合、急速に症状が進行してくることもありますので、早めに病院連れてきてあげて下さいね。