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動物病院事件簿その2~2015年以来の続き 2017年3月

2017.03.16

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こんにちは。毎回同じコメントからで失礼致します。
京都市北区にある動物病院 京都 および京都市上京区 ねこの病院 院長の園田 祐三です。
動物病院 京都 本院は、京都市北区、右京区、上京区の区境の西大路通り沿いにあります。近くには北野白梅町駅、イズミヤさん、フレスコさん、ドラックひかりさんがあります。

春の狂犬病接種やフィラリア予防のシーズンでは特に、昼間の時間においても予約診療を実施しております。<事前にお電話いただければ幸いです。>
また、日常的に24時までは病院に獣医師が在籍していることも多く、状況により夜間診療を実施しております。

3月は、11日から数日間皮膚科学会に参加し、新しい皮膚科の知見などを得てから、さらに毎月実習させてもらっている皮膚科会長の動物病院に行きました。そしてその帰り道の新幹線の中で、このブログを書いています。
自分は、整形外科、内科、循環器、呼吸器、行動学、画像診断などが好きでより研鑽をしておりますが、やはり皮膚科もメインに勉強しているため、その学会などのへの参加のため院長診察が休診になることもあります。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。医療含め獣医療は常に進歩します。より新しい知見を得て、みなさまのわんちゃんねこちゃんの皮膚トラブルの本質など含め、よりわかりやくす説明していけたらと思っております。

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さて、今回は2年前にシリーズ化しようと思い、なかなか第二弾が書けていなかった動物病院事件簿その2です。
事件簿といっても、動物病院あるあるに近いかもしれません。前回はフライドチキン多量食いのダックスさんを紹介しましたが、今回は

バレンタインデー チョコいっぱい食べちゃった事件簿です。

これ、意外に多いんです。本当に。
毎年、2月14日前後になると、チョコレートを食べてしまったのだけどどうしたらいいというお電話、ご来院が多くあります。

今年だけでも数件ありました。今まで実際に食べて来院されたチョコレートの内容を列挙します。さてどれがより危ないでしょうか

1.ゴディバのミルクチョコレート
2.明治のミルクチョコレート
3.手作りのチョコ
4.ハワイで買ってきたマカデミアナッツ入チョコ
5.ビターチョコ

正解は・・・
4と5(状況により1,2,3)
です。

まず、わんちゃんにチョコレートを食べさせてはいけない(後述しますが、ちょっとでも食べたら大変というものではありません)理由は、チョコレートに含まれるカカオの成分の中の、テオブロミンという成分がわんちゃんにとっては毒性があるからです。どのような毒性かというと
嘔吐・下痢・興奮・抑うつ・不整脈・パンティング・高体温・運動失調・ふるえ・痙攣・発作、時に死に至る昏睡等があげられています。

実際、中毒というと身体に支障がでるレベルまでの摂取となると、かなりの量を食べないと中毒量には達しないので、ミルコチョコレートひとかけらあるいは1個などであれば経過観察(下痢嘔吐などがないか)するだけでもいいこともあります。

しかし、5番のビターチョコは、1gあたりのカカオ(つまりそこに含まれるテオブロミンも)多いので、少し食べただけでも、毒性を発現する可能性があります。

また、少し話がずれますが、4番のマカデミアナッツ入りのチョコレートも、マカデミアナッツが入っているという点において、注意が必要です。犬のマカデミアナッツ中毒は、これも量によりますが、嘔吐、痙攣、運動失調を引き起こすことがあります。
実際に自分も夜間診療などをしているときに、数件経験があります。獣医師のみる英語の専門書などには、死に至ることは少なく、自然に回復することもあるが、点滴などの治療が考慮されるとの記載があるため、特に夜間診療等の場合は、点滴治療をしたりすることが多いです。
1,2,3番のミルコチョコレートの場合は、カカオ成分が低い場合、相応の量を誤食しないと中毒はでることが少ないです。(下痢嘔吐は起きるかもしれませんが)

まとめるとチョコを食べてしまった場合は
それがミルコチョコレート 1個とかであれば、経過観察だけで様子がおかしい場合は診察

ミルコチョコレートでも量が多い場合あるいはビターチョコなどの誤食は、治療対象(点滴など)

マカデミアナッツなどナッツ類が入っているものも、ミルコチョコレートであってもナッツ中毒を考慮し、診察の対象になる

と考えています。
主に実施する治療は、催吐処置(食べてから時間が浅い場合)、また皮下点滴、胃粘膜保護剤の投薬です。

ワンちゃんは少し目を離したすきに、ものの見事に誤食します。インターネット上にある情報が本当に正しいのかをしっかりと判断しながら、科学的に正しい情報を得て、しっかりと対処してあげるといいでしょう。

動物病院 京都 
動物病院 京都 ねこの病院
院長 園田 祐三

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