2022.08.12
目次
短頭種気道症候群という病気をご存知でしょうか?
鼻が短い短頭種と呼ばれる犬種にみられる呼吸困難を総称して使われる病名です。
今回は、こちらの病気について詳しくお話しします。
頭(頭蓋骨)の長さに比べて鼻の長さが短い犬種(ブルドック、パグ、ボストンテリア、シーズー、チワワなど)を指します。
・他の犬種に比べて鼻や喉の通り道が狭い
・喉の構造物が多い(軟口蓋過長)
・喉の構造に異常がある(喉頭小嚢反転)
・気管の形成が弱い
下記のような症状が進行してしまうと舌の色が悪く(紫色味がかる)なったり、倒れたり(失神)します。
・いびきをする
・ぜーぜー、がーがーといった呼吸の音がする
・咳がでる
・息を吸う時にしんどそう
・興奮(運動時)すぐに疲れた様子がある
進行すると誤嚥性肺炎を生じてしまいます。
・よく吐く(胃腸炎、食道炎)
・外観
・レントゲン検査
・透視下レントゲン
・喉頭鏡
根本的な解決は主に外科療法となります。
(手術前)
(手術後)
狭い鼻腔を広げる手術です。鼻腔が広くなることで空気を吸う時の抵抗が小さくなります。
人でいう“のどちんこ”の部分に相当します。
気管の入り口には“硬頭蓋”という蓋があり、その上に軟口蓋があります。
短頭種の子たちはその軟口蓋が長く、分厚くなってしまっているため、余剰部分を切除することで、気道を広げます。
喉に喉頭小嚢という組織がありますが、短頭種の子達はそれが反転し呼吸をさまたげていることがあります。
そのため、その部分を切除することで気道を確保します。
これらの手術は若齢時の去勢・避妊手術時に同時に実施することが望ましいです。
もちろん手術済みの子達でも、実施は可能です。
・内科的療法 (何かしらの要因で手術が難しい場合、ステロイド剤や鎮静剤といった内科療法で対応します。)
・生活環境の改善
・室温を低めに保つ (もともとわんちゃんは熱を発散させることが難しく体温があがりやすい動物です。なるべく室温を低く保つことで熱がこもらないようにしましょう。)
・日中の暑い時間帯での外出を避ける
・なるべく痩せ気味での体重を維持する
年齢が経過すると症状も進行していきますので、予防的処置が望ましいです。
何か気になることがありましたらご相談下さい。
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