2022.04.29
症例紹介
ふと愛犬の耳を見たときに「耳垢がたくさん付いている」「赤くなっている」「耳をよく掻いている」など、そんな経験はありませんか?
もしかしたら外耳炎という病気になっているかもしれません。
今回は、外耳炎についてお話したいと思います。どうぞ最後までお付き合いください。
外耳(耳の穴~鼓膜)に炎症が起きてしまう病気が外耳炎です。
痒みを伴うことがほとんどで以下のような症状が見られることが多いです。
・頭をよく振る
・耳を後ろ足でよく掻いている
・耳を地面や壁に擦りつけている
・耳の匂いがきつい
・耳の色が赤い
・耳垢が多い
頭を振る・耳を後ろ足で掻くなどの仕草は、外耳炎でなくても日常的に行う仕草なので、耳が痒いことが原因だと気が付かない方もたくさんおられます。
「普段より耳を気にしている回数が多いな」と感じたら外耳炎になっているかもしれません。
早めのご来院をオススメいたします。
また、重度になってくると痒みだけでなく強い痛みを伴い、以下のような症状が見られることもあります。
・耳の近くを触られることをひどく嫌がる
・耳の中から膿(黄色っぽいドロッとした液体)が出ている
・耳の皮膚が腫れて耳の穴が見えなくなる
重度になると治療に時間がかかることが多いため、早めに耳の異常のサインに気付いて病院につれてきてあげることが大切です。
外耳炎として以下のような原因が多く見られます。
・耳道内の蒸れ(耳毛が多い、耳が垂れている、外耳道が狭いなど)
・寄生虫(耳ダニなど)
・カビや細菌の増殖
・異物(植物の種や虫など)
・アトピーや食物アレルギー
・ホルモン失調
・腫瘍
生まれつきの犬種特有の性質として、以下のような性質を持つ犬種が外耳炎を発症しやすいと言われています。
・耳毛が多い(トイプードル、ビションフリーゼ)
・耳が垂れている(ミニチュアダックス、アメリカンコッカースパニエル)
・外耳道が狭い(パグ、フレンチブルドッグ)
・アトピーや食物アレルギーの好発犬種(柴犬、フレンチブルドッグ、シーズー)
外耳炎の治療は、炎症を抑えるお薬の点耳がメインになります。
耳垢が多い場合は、耳垢を取り除くために耳洗浄を行うこともあります。
鼓膜の奥(中耳や内耳)にまで炎症が起きている場合は、麻酔をかけての検査・治療が必要になる場合もあります。
また、異物がある場合は異物の除去、耳ダニなどの寄生虫の場合は駆虫薬、ホルモン失調であればホルモン療法など、個別の治療・管理が必要な場合もあります。
自宅で行う耳洗浄だけでは治らないことも多いので、耳を気にしている場合はできるだけ早めにご来院ください。
毎日のスキンシップとして、耳や顔周りを触って確認する習慣をつけてください。
正常な耳の見た目・匂い・耳垢の量・触られたときの反応などを知っておくことで、異常を早めに察知し、外耳炎を早期に治療することが可能となります。
特に外耳炎を発症しやすい特徴を持つ犬種は意識して見てあげてください。
耳垢がついている際は、軽度であれば優しくコットンなどで取ってあげるのが効果的です。
しかし、ゴシゴシ拭き取ろうとしたり、綿棒での掃除をしたりすることは耳を傷つけてしまい外耳炎の発症・悪化の要因となりやすいため厳禁です。
軽く見られがちですが、耳の痒みは非常に辛い症状のひとつです。
耳の中は外からは見にくい場所なので、飼い主様が痒みのサインに気付いてあげることが大切です。
普段から正常な状態を知っておくことで愛犬を守ってあげてください。
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