2020.06.01
こんにちは。動物病院京都 院長の坂口邦彦です。
非常事態宣言は解除されましたがコロナで大変な状況はまだ続いていますので、自宅で過ごすペットとの時間を大切にしてくださいね。気温はだいぶ暖かくなって来ましたので、コロナもこれで終息してくれるといいですね。
さて、この暖かい時期というのは皮膚病が悪化しやすい時期でもあります。今回はそんな皮膚病の症例をひとつ紹介します。
この柴犬さんは春先から、目の周りや口周り、足先をよく掻いたり舐めたりして皮膚が悪くなったということで来院されました。
このわんちゃんは犬アトピー性皮膚炎と診断した症例です。
この病気の原因は、体が過敏に反応しやすいという遺伝的なアトピー体質の問題が根本にあり、春になると増えてくるハウスダストや様々な原因がきっかけとなり、皮膚炎がひどくなっていきます。
比較的若いうちに発症し、年が経つごとに悪化し、一年中痒がることもあります。
良く起こる皮膚の部位は以下の場所です。
この症例では明らかな感染症もなく、悪化した皮膚の特徴と痒がり方、アレルギー検査から犬アトピー性皮膚炎と診断し、治療を開始しました。
治療にはステロイドと免疫抑制剤をメインに使用し、スキンケアを併用しながら、ステロイドをゆっくりと減量していきました。
すると1週間ほどで皮膚は良化してきて、3か月後には以下の写真のように改善してくれました。
改善したと言っても犬アトピー性皮膚炎は完治する病気ではなく、生涯付き合っていく必要がある病気ですので、投薬が体の負担にならないように適切にケア続けてあげなければなりません。
皮膚病は、体質の問題だけでなく気温や湿度、環境中のアレルギー物質など様々な要因が絡んで皮膚の病気は悪化していきます。適切に原因を追求して、治療を実施することで辛いかゆみもマシにしてあげることができます。
なかなか治らないと思って諦めている飼い主様がいらっしゃいましたら一度相談していただければと思います。
動物病院京都
院長 坂口邦彦