2020.10.11
スタッフブログ
こんにちは。動物病院 京都 獣医師の尾関康江です。ずいぶん過ごしやすくなり、秋も目の前でしょうか。
先日はわんちゃんの心臓病についてお話しましたが、ねこちゃんも心臓病にかかることがあります。
「何となく最近元気がないな…」
「一緒に遊んでてもすぐに止めてしまう」
などといった症状はないでしょうか?ねこちゃんの心臓病はいくつかの型がありますが、その中でも多い『肥大型心筋症』についてお話したいと思います。
Q:どんな病気?
A:心臓を内張りしている壁(心筋)が分厚くなる病気です。心臓はポンプの役割をしており、全身に血液を送り出す働きをしています。心臓の内側が狭くなると、全身に送り出すことができる血液量が減ってしまいます。結果として血液が足りなくなって、疲れやすくなったり、あまり動かなくなったりと動きに制限が出ます。
アメリカンショートヘアー、メインクーン、ペルシャ猫など純血のねこちゃんで多く見られ、若齢から高齢まで幅広い年齢で起こります。
Q:症状は?
A:初期と進行していったタイミングでは症状が異なります。
①初期では
・元気がない
・食欲が落ちた
・疲れやすくて、すぐ遊びをやめてしまう
②進行すると
・口を開けて呼吸をしている
・呼吸が速い
・失神する
・後ろ足が動かなくなる(突然起こることが多いです)
Q:どうやって診断するの?
A:超音波検査にて、心臓の内側の筋肉の厚さや血液の流れを確認することが1番大事です。また、血液検査による心臓の負荷を評価する心臓病のマーカーも有用です。わんちゃんと同様に聴診やレントゲンも必要ですが、初期では分かりにくいことがあります。
(今回はねこの病院の看板猫 まいちゃん(おきばりやす舞妓ちゃん)が超音波検査中のモデルに協力してくれました^ ^*)
治療としては、心臓の働きを助ける、血圧を下げる、血栓を出来にくくするお薬を投薬する内科療法が主体になります。秋の健診が始まっておりますので、なにかご心配ごとがありましたらご相談下さい。また、去勢手術や不妊手術前の検査でも簡易検査を行っておりますので、受けられて早期発見につなげて下さいね。
動物病院 京都
獣医師 尾関康江