橈尺骨の骨折

橈骨と尺骨は、前肢の手根関節(手首)と肘関節の間にある骨です。橈骨と尺骨の骨折は、小型犬で多く発生し、橈骨、尺骨とも同時に骨折する場合がほとんどです。地面に前肢を着くことで生じた荷重は、手根関節を介して橈骨と尺骨に伝達されます。その荷重のほとんどは橈骨が支えており、尺骨は骨端部(骨の端)で荷重を少し支えている程度です。このため、橈骨と尺骨の骨折の治療は橈骨を治癒させることが目的になります。

治療法には、外固定、外科療法(手術)があります。治療法は、骨折の種類、患者の状態、ご家族の意向などを総合的に判断して決定していきます。多くの場合、犬や猫の骨折の治療には手術が必要になります。当院では、橈骨と尺骨の骨折の手術にはプレート固定を行うことが多いです。どの手術方法で行っても、10%くらいの確率で様々な合併症(手術における不都合な出来事)が起こると報告されています。

プレート固定で治療した症例

術前
  

手術直後
  

術後1ヶ月
 

この症例では、術後1ヶ月で骨の癒合(くっついている状態)が認められました。通常は1−3ヶ月で骨は癒合してきます。橈尺骨の骨折は、トイプードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャテリア、パピヨン、マルチーズ、イタリアン・グレーハウンドなどの小型犬で多く発生します。そのほとんどは、高所からの落下が原因です。小型犬のいるご家庭では、できるだけ高いところに登らせないように注意しましょう。

動物病院 京都
獣医師 木村亮太