夏場の「鼻ぺちゃさん」は要注意!

こんにちは。

動物病院京都の獣医師の小川修平です。

いよいよ梅雨入りで梅雨の後には本格的に京都の夏が始まります。祇園祭など楽しみなイベントもありますが、やはり京都の夏の暑さを想像すると、個人的には今から少し身構えてしまいます。

 

本日はそんな暑い時期に特に「鼻ぺちゃさん」の飼い主さんに知っておいて欲しいお話です。
あなたの家のわんちゃん、「ガーガー」や「ブーブー」などの呼吸の音をしていませんか?そんな方は特に注意が必要です。

 

その呼吸の音が普通だと思っていませんか?
それ、実はすごくしんどいことが身体の中で起こっています!

 

▼最初に本日のポイントまとめ

1) フレンチブルドッグやパグなどの鼻ぺちゃさん(短頭種)は呼吸に問題を抱えやすい
2) 特に暑くなる夏場には窒息死をする可能性がある
3) 緊急の場合には手術(軟口蓋切除)が必要になることがある
4) 手術により呼吸の問題を予防することができる
5) 熱くなる夏場には散歩を控える、首元を冷やすなどの対策が必要である

 

▼ポイント詳細説明

1)フレンチブルドッグやパグなどの鼻ぺちゃさん(短頭種)は呼吸に問題を抱えやすい

短頭種とはそもそも「鼻ぺちゃさん」というのは、シーズー、フレンチブルドッグ、パグ、ボストンテリア、キャバリアなどの犬種さんのことで、正式には「短頭種」と呼ばれています。すごく可愛い子が多く、飼育されている方も多いかと思います。この子たちは鼻が短く、可愛らしい見た目をしていますが、その分、呼吸がしにくいという特徴を持っています。

具体的には、
・鼻の穴が狭い(外鼻孔狭窄)
・鼻から気管への空気の通り道に分厚いカーテンがぶら下がっている(軟口蓋過長症)
・身体の大きさに比べて気管が細い(気管低形成)
などの特徴が挙げられます。

そして、「ガーガー」や「ブーブー」などの呼吸音がする、いびきが多いなどの場合には、喉や鼻が塞がっている可能性があります。

 

2) 特に暑くなる夏場には窒息死をする可能性がある

特に呼吸数が多くなる夏場には、さらに苦しそうな呼吸になり、窒息してしまう可能性があります。もし、夏場に呼吸の様子がいつもと異なり、舌の色が紫色になったり、頑張って呼吸をしている場合には、暑さや興奮により喉が腫れて、窒息してしまう可能性があります。

 

3) 緊急の場合には手術(軟口蓋切除)が必要になることがある

もし、夏場に「ガーガー」「ゼーゼー」という呼吸音がし、しんどそうな様子が認められる場合には緊急の状態の可能性があるため、すぐに病院に来てください。場合によっては、呼吸が出来るように気管にチューブを通す必要や、そのまま、伸びている軟口蓋を外科切除により短くし障害物を無くすことで、呼吸を出来るようにする必要があります。

 

4) 手術により呼吸の問題を予防することができる

当院では、緊急の状態になる前に、鼻と喉の問題を解決する予防的な手術を推奨しています。狭い鼻の穴を広げる手術(鼻腔拡張術)を行うと↓このように鼻の入口の面積を大きく増やすことができ→呼吸気のボリュームをより増やすことができます。

 

また、気管を塞ぐ軟口蓋というカーテンを短くする手術(軟口蓋切除)をあわせて実施することも可能です。

 

この手術により将来的に呼吸の問題を抱える可能性を最小限に抑えることが出来、日常生活も過ごしやすくなります。しかし、手術後、一時的に食べ物が気管に入りやすくなることもあるため、手術後は数日の入院が必要になります。

去勢手術や避妊手術の際に同時に実施することもできますので、費用なども診察の際にもお気軽にお尋ねください。

 

5) 熱くなる夏場には散歩を控える、首元を冷やすなどの対策が必要である

夏場に簡単にできる対策夏場に呼吸がしんどそうな場合には、首元を保冷剤で冷やすことで少し呼吸は楽になります。また、日中の暑い時間にはお散歩を避け、部屋の温度も27~28°Cくらいに保ってあげてください。

 

今まで、夏場にしんどそうだった、呼吸が普段からしんどそう、とお困りの鼻ぺちゃさんの飼い主の皆様、どうぞお気軽にご相談ください。