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子猫と噛み癖

2018.10.17

こんにちは

動物病院 京都 獣医師の酒井宥太です。

9月に入って2つの台風が日本に上陸しましたが、京都でも多くの建物に被害があったようです。

先日、嵐山まで散歩に行ったのですが、渡月橋の欄干が風で倒れてしまっており、橋の片方が通行止めになっていました。今回の台風がいかに強かったのかがわかります...

台風はもう発生していないようですが、秋の急な気候の変化には注意しないといけませんね。

 

さて今回は子猫さんの問題行動のひとつ、「噛み癖」についてお話しようと思います。

 

子猫さんはエネルギーの塊です。体力が有り余っていると興奮状態が続いてしまい、その勢いで飼い主さんの手をじゃれつくように噛んでしまうことがあります。

手で遊んでしまうのも原因です。人間の手をおもちゃだと認識してしまうことでも噛み癖は出てきます。

 

では「噛み癖」が出てきた子猫さんに対してどのような対策が必要でしょうか?

まず大切なのは目一杯遊んであげることです。たくさんエネルギーを発散させて興奮状態から落ち着かせてあげましょう。

飼い主さんの手を噛んできたときにはしっかりと注意することも重要です。このとき、「ダメッ」、「コラッ」と低い声で注意することが大切で、あまり高い声で注意してしまうと興奮を助長してしまうこともあります。

これは最終手段とも言えますが、噛まれた指をそのまま口の奥に押し込んで、噛んだら嫌なことが起きること認識させるなどの方法もあります。

 

ここで具体例を紹介しましょう。

アメリカンショートヘアのレイニーちゃんです。

レイニーちゃんは子猫のときに病院でお世話をしていたのですが、ある時からお世話するスタッフの手をことあるごとに噛んでくるようになってしましました。

これはまずいと感じ、その日からは休憩中や時間がある時などにレイニーちゃんとおもちゃで遊ぶ時間を作りました。遊んであげた後のレイニーちゃんはケージの中でとても落ち着いた様子でくつろいでいました。

その他にも、レイニーちゃんをわんちゃんと同じケージで過ごさせることも有効でした。レイニーちゃんを色々なわんちゃんに慣れさせようという目的もあったのですが、わんちゃんの方もかなりエネルギッシュでレイニーちゃんのエネルギー発散に協力してくれました。

また病院スタッフで協力して、レイニーちゃんが噛んできたときはしっかりと注意するようにしました。

おかげでレイニーちゃんの噛み癖は徐々に減っていき、とても大人しくていい子に成長してくれています。

 

新しく子猫さんを迎えた飼い主さんからは「遊んでいると手を噛むんです」という声をよくお聞きします。

小さい子猫では噛む力も弱く、噛まれても、「まあ、痛くないしいいか」、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ねこちゃんが大きくなってになって噛む力が強くなると、ねこちゃんにとってはじゃれついているだけのつもりが飼い主さんの怪我につながることもあります。

ねこちゃんと飼い主さんがお互いに信頼できるパートナーとして長く一緒に暮らしていくためにも、子猫のときから根気よく「噛み癖」をなくしていってあげましょう。

 

動物病院 京都

獣医師 酒井宥太

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