2023.02.10
スタッフブログ
目次
こんにちは。動物病院京都 動物看護師の山脇友香理です。
今回はわんちゃんの介護についてお話します。
実際私も先代犬の介護経験があるので、何かヒントになればいいなと思います。
わんちゃんも高齢化が進み、今までできていた事が段々できなくなっていきます。
また、若くても病気で体が今まで通り動かなくなった場合も介護が必要になります。
今回は「適切な介護について」の説明ですが、「適切な介護」は幾通りもあると思います。
飼い主様がその子の事を考えて少しでも暮らしやすい環境を整えてあげたいと思ってする行為は全て「適切な介護」のスタートに繋がると思います。
・物の配置を変更しない
わんちゃんは家の間取りをある程度覚えています。
自分のケージやベッド、水飲み場やトイレはもちろん、家具の配置さえも覚えています。目が見えなくてもある程度自由に家の中を動くことができます。
・物にぶつかった時に怪我をしないような工夫
家具の角には柔らかいクッション素材の物を貼る
・危険な場所には入り込まないようにゲートの設置や生活空間を限定する
階段や段差からの落下事故が起こり得るので、階段手前にはゲートを設置するなどの工夫を行い、立ち入れないようにする。
お風呂場や脱衣所など換気の為に開けていた少しの隙間から侵入して出られなくなることがあるので、行けないようにする(実際我が家のわんこもお風呂場に閉じ込められていました)
・急に触らない
目が見えなくなったわんちゃんに急に触ると驚いて飼い主さんを咬んでしまうことがあります。(私は足を咬まれました)
触る時は声掛けをしてゆっくり優しく触ってあげてください。
・目が見えなくても楽しめる遊びを見つける
聴覚や嗅覚を使った遊び(トリーツボールやタオルにフードを挟んで縛っておもちゃにしてもよい)
ノーズワーク(音の鳴るボールやおもちゃで引っ張りっこ遊び)
・急に触ると驚いてしまう為、わんちゃんの視界に入ってから触ってあげてください。
・耳が遠くなる前から「おすわり」「まて」などのコマンドは身振り手振りを使ったハンドシグナルと合わせて伝えてあげるとコミュニケーションが取りやすくなります。
※雷の音でパニックになっていたわんちゃんは、耳が聞こえなくなると雷の音も聞こえなくなるので、穏やかな生活ができる場合もあります。
・お散歩は他のわんちゃんに会ったり、外の匂いを嗅いだり、季節を感じたり、筋力維持、気分転換や飼い主さんとコミュニケーションを取る大切な時間です。無理のない範囲で歩かせてあげてください。
・フローリング等の床は滑らないようにカーペットや滑らないマット等を敷く。
・高い場所への上り下りは腰や足に負担になるので、なるべく抱っこをする又は、ステップを設置してあげる。
・寝たきりになった場合は褥瘡ができないように定期的な体位変換をする。(体圧分散マットなどの上で寝かせてあげるといい)
・お皿の高さを高くし、首をあまり曲げなくていいようにする。
・食事の硬さを変えてあげる。(ドライフード→ふやかしフード、総合栄養食のウエットフード)
・お皿の中心に山型に盛ってあげる。
・定期的にトイレに連れて行く。
・どこでしてもいいようにペットシーツなどを敷いておく。(←我が家はこうでした)
・オムツやマナーベルトを付ける。(オムツかぶれしないように定期的に交換必要)
・わんちゃんが挟まらないように隙間をなくす。
上記対処方法はあくまでも一例です。
介護は工夫の連続です。
飼育環境やわんちゃんの性格に合わせて工夫していただけると幸いです。
-ユニチャーム株式会社 介護用マット™
-ペットステップ、スロープ
-くるくるウォーカーⅡ™
-歩行補助ハーネス
-PAW WING™(肉球に貼る滑り止めシール)
いかがでしたでしょうか。
いざ介護をするとなると色々不安になると思います。
また、愛犬の介護をしているとどうしても昔の姿と比べてしまって落ち込んだり、悩んだりすることがあると思います。
でも、今までできていたことができなくなるのは、決して悪いことではありません。
できなくなった分、今まで以上に飼い主様を頼りにし、甘えてくるでしょう。
介護で疲れている時は中々その愛おしさを感じる事が難しいと思います。
介護で大切なのは抱え込まず、辛くなったら私達動物病院スタッフに遠慮なくご相談ください。
飼い主様自身の心も大切にし、人に話す事で心に余裕が生まれ、その愛おしさを実感していただければ幸いです。
動物病院 京都は京都市北区にある動物病院です。
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