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【放っておくと怖い病気】外耳炎・中耳炎・内耳炎について

2022.07.08

症例紹介

こんにちは、動物病院京都、獣医師の吉田昌平です。

夏になり、気温が上がってくると増えている耳のトラブル。

「うちの子って耳垢が多い?」「最近、耳をよく掻いているんだけど大丈夫かな?」「耳の匂いが気になるんだけど」「トリミングに連れて行ったら、耳が赤いって言われた」などのさまざまな理由で来院されます。

今日は耳についての疑問について、おうちのケアで気をつけて欲しいことなども合わせてお話しします。

 

外耳炎とは

「うちの子、耳垢が多いから外耳炎かも?」という理由で、来院される飼い主様がたくさんいます。

これは半分正解で、半分間違いです。確かに、外耳炎になると「耳垢が増えやすい」というのは事実です。

しかし、人でも耳垢が出るように健康な動物たちにも耳垢がでます。

では、外耳炎になっているかどうかはどうやって判断しているのでしょうか?

それは、外耳(耳介〜耳道〜鼓膜まで)に炎症があるかどうかをみています。

テンションが高かったり、運動後とかだと耳が赤くなることもあるので、耳をチェックするときはお家でゆっくりしている時に見てあげてください。

 

中耳炎とは

鼓膜より奥の領域は中耳(鼓膜〜鼓室)と呼ばれてます。ここに炎症が起きると「中耳炎」と呼ばれます。

外耳炎が悪化すると、中耳炎にまで進行してしまうケースがあります。

また「散歩中に突発的に痛みが出た」という子で、耳の中に植物の種が入っていて、鼓膜が傷ついてしまったという犬の診察をしたこともあります。

・頭をブルブル振る

・耳を痛がる

上記のような、明らかにいつもと違う様子が見られることもありますが、症状がない子もいるので、外耳炎がなかなか治らない、または外耳炎を繰り返す子たちの一部には、中耳炎になっている子もいるので注意が必要です。

 

内耳炎とは

中耳より奥の領域は内耳と呼ばれています。

聴覚や平衡覚に関わるところで、ここに炎症が起きると下記のような症状が見られることがあります。

・首を同じ方向に傾ける(斜頸)

・同じ方向にくるくる回る(旋回)

・目が揺れる(眼振)

・元気がなくなる

・食欲がなくなる

・吐き気

突発的に症状が出ることも多いので、いつもと様子が違うと思ったら、早めに相談してください。

 

治療・検査について

さて、一般的な外耳炎の原因はさまざまです。

耳垢が多い場合は、耳の洗浄を行います。

犬は専用の洗浄液で耳垢などの汚れを取ることが多いのですが、猫は耳への刺激にすごく敏感で、耳を洗浄すると神経症状が出ることがあるので、基本的に洗浄液は使わないです。

また、お家に来たばかりの若齢の犬や猫だと、耳垢の中に耳ダニが見つかることがあり、そのときは駆虫薬で治療します。

なかなか外耳炎が治らない、または中耳炎や内耳炎の疑いがある場合は、耳の内視鏡検査(オトスコープ)で耳の奥まで詳しく検査することがあります。

耳の奥に異物やポリープなどが見つかれば、検査の時に取り除くことができる場合もあります。

また耳の奥で細菌感染がある場合は、炎症により浸出液が出ていることが多いです。

そのときは浸出液を採取し「どんな細菌がいるのか(細菌培養同定)」「効きそうな薬は何か?(薬剤感受性試験)」を調べることができます。

 

日常生活で気を付けてあげてほしいこと

普段から、頭をよしよししてあげる時に、耳を触ってあげる練習をしてください。

耳が悪くなってから、耳を触られると嫌がることがほとんどです。

耳を触られても平気になれば、たまに耳の見た目や匂いなどをチェックしてみてください。

「いつもと色や匂いなどが違うかも?」など、さまざまな気づきがあると思います。

また、頻繁に耳掃除している場合も要注意です。

動物病院京都のInstagramでも「耳掃除って必要?」という内容で投稿していますので、ぜひご覧ください。

https://www.instagram.com/p/CZ_uVcrP5OV/

 

まとめ

「動物病院で治療してもらっているんだけど、なかなか外耳炎が治らない」という理由で、動物病院京都に訪れる飼い主様は多くいらっしゃいます。

外耳炎から中耳炎に発展してしまっているケースもあるので、不安を感じている場合は早めにご来院ください。

普段のお手入れの方法を含めて、些細な質問でもお気軽にご相談ください!


動物病院 京都について

動物病院 京都は京都市北区にある動物病院です。

一般的な町の動物病院としての役割のほかに、ねこ専門の病院があったり、骨折や脱臼などの整形外科手術の実績が豊富なことや、皮膚科の専門医診療など、より高度な獣医療も提供しています。

京都市西京区にも分院の動物病院京都 西京桂院があり、京都市内を中心に、飼い主様に寄り添った獣医療を提供しています。

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