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犬猫のお口の健康

2022.04.08

スタッフブログ歯科

その昔、「芸能人は歯が命」というテレビCMが流行りましたね。今の当院のスタッフは、ほとんど知りませんでしたが。。

普段は見過ごされがちな動物の「お口の健康」ですが、「動物だって、歯が命」です。

今回は、犬猫のお口の健康についての動物病院京都の椎名がお話します。

犬猫に多いお口の病気はあるの?

まず、あまり知られていないことかもしれませんが、犬や猫は、ほとんど虫歯になりません。

これは、犬猫のお口の環境(歯の形やpH、消化酵素、口腔内細菌の種類など)が、人間のそれとかなり異なっているためです。

犬や猫は虫歯にほとんどならない代わりに、犬猫それぞれになりやすいお口の病気があります。

犬に起こりやすいお口の病気

犬の歯は歯石が付着しやすく、歯周病になりやすいことが特徴です。

3歳以上の犬の8割以上が歯周病になっていると言われています。

硬いおもちゃなどで遊んでいる犬の場合は、歯が折れていたり、欠けていることがあります。

猫に起こりやすいお口の病気

猫も犬と同様に歯周病は起こりやすい病気の一つですが、その他にも吸収病巣(歯が融けてしまう、原因不明の病気)、歯肉口内炎(歯茎の他、舌や頬の裏側、喉の方にも炎症を起こす病気)などがあります。

おすすめの口腔ケア方法

人間は自分で歯磨きやフロス、歯間ブラシなどを使えますが、動物は自らお口のケアはできません。そのため、「飼い主様がケアしてあげる」必要があります。

とは言え、お口のケアは動物にとって「意味もわからずお口の中をいじられる、嫌なこと」であるのも事実です。

歯磨きを覚えてもらうには、無理矢理やるのではなく、少しずつ、できたら楽しみながら覚えてもらうようにしましょう。

歯磨きの練習方法については、担当の獣医師や動物看護師にご相談ください。

動物病院京都では、動物用のデンタルガムやサプリメントを取り揃えています。どうしても歯磨きが難しい場合には、デンタルガムなどの使用は有効的です。

悪くなりやすい子っているの?

人間同様、動物にもある程度のケアをしていればお口の病気になりにくい子がいる一方で、かなりしっかりとケアをしてあげないと病気が進行しやすい子もいます。

そのため、「うちの子は若いから大丈夫」と安心しすぎず、ワクチンやフィラリア予防などで受診された際には、しっかりとお口の健診も受けさせてあげてください。また、口臭が強くなったなど、気になることがある場合には、診察時にお知らせいただくことで、病気の早期発見に繋がることもあります。

お口の健康チェックを実施しやすくするために、小さい頃から、お口を触られる練習をしておくことも大切です。

どうやって病気か判断するの?

犬猫のどちらもお口の病気になった時には、以下のような症状が見られる場合が多いです。

  • – 口臭が強くなる
  • – くしゃみ、鼻水が出る
  • – 歯がぐらついている・抜けてしまう
  • – ごはんを食べるのが遅くなる
  • – 硬いものを食べなくなった(ウェットフードを好む)
  • – 左右どちらかでしか噛まなくなった
  • – 食事中に、痛そうに鳴く
  • – 出血する
  • – 口を気にする(足で口周りを掻く、床などに擦り付けるなど)
  • – 口の周りが腫れる

 

悪くなったら、治療って必要?

上記のような症状が見られた場合には、治療が必要なケースが多いです。

まずは、一度病院で診てもらいましょう。

治療って、どんなことをするの?

基本的には全身麻酔を使います。

歯石除去や歯面研磨、抜歯など安全・確実に治療を行う目的から、全身麻酔での治療が必要になることがほとんどです。

抜歯をすすめられた。。歯がなくなっても大丈夫?

まず前提として、犬猫は肉食動物(犬はやや雑食より)なので、雑食動物である人間とは「歯の役目」が異なります。

犬猫にとっての歯の役割

獲物を捕らえるために犬歯が発達しています。

奥歯は肉を噛み切るためにハサミ状になっていて、噛み切った肉は丸呑みします。

人間にとっての歯の役割

犬猫と違い、前歯で食べ物を噛み切ります。

また穀物などをすり潰すために奥歯は平らで、面と面で噛み合っている形状です。

食事は、咀嚼してから飲み込みます。

以上のことから、犬猫は、丸呑みして良い大きさのごはん(カリカリなど)を食べる分には、歯がなくても大丈夫です。

そのため、歯がなくなってしまって大丈夫かと不安に思われると思いますが、基本的には大丈夫です。

ただ、まれに抜歯後に舌が出っ放しになってしまう子がいたり、ごはんをこぼしやすくなってしまう、少し鼻周りの顔の形が変わってしまうと言った場合があるため、抜歯を薦められた際には、その後の後遺症など、担当の獣医師にご確認ください。

手術したら、口腔ケアはいらなくなるの?

飼い主様から、「手術をしたら、あとは安心よね」と聞かれることがありますが、そんなことはありません。

しっかりと治療をした後は、すぐにまた悪くなってしまうことのないように、おうちでの口腔ケアが必要です。

もし口腔ケアに慣れていない子の場合は、手術後にしばらく通院していただき、その子に合った口腔ケアの方法を、飼い主様と一緒に考えていきます。

まとめ

お口の病気は内臓や皮膚など、他の部分に比べてどうしても後回しにされがちです。

一方で、高齢になってから、「若いうちに、もう少しケアしておけば良かった」と後悔される飼い主様が多くいらっしゃる部位でもあります。

人間同様、毎日のお口のケアは大変ですが、大切なご家族のお口の健康を守ってあげられるのは、飼い主様だけです。

現在では色々なデンタルケアグッズも揃っていますので、ぜひ一度、担当の獣医師までご相談いただければと思います。


動物病院 京都について

動物病院 京都は京都市北区にある動物病院です。

一般的な町の動物病院としての役割のほかに、ねこ専門の病院があったり、骨折や脱臼などの整形外科手術の実績が豊富なことや、皮膚科の専門医診療など、より高度な獣医療も提供しています。

京都市西京区にも分院の動物病院京都 西京桂院があり、京都市内を中心に、飼い主様に寄り添った獣医療を提供しています。

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